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うつ病患者さんに望ましい食事と栄養素について

ストレスの多い現代社会で、うつ病に悩む患者さんが増えていますが、うつ病の治療をきちんと受けている人は、それほど増えていないのが現状です。これは、うつ病についてはっきりとした検査値などがないため、気づくのがどうしても遅くなってしまうからです。また、いまだにうつ病は、周囲の方からも単なる性格の問題と思われたり、「気のもちよう」などと考えられてしまうこともあります。

毎日の生活がなんとなくおかしい・・・。と感じていたら、それは、こころとからだがあなたにうつ病のサインを出しているのかもしれません。

気分の落ち込みや、やる気が起きないなど、こころの不調は誰もが経験するものです。
このような気分の落ち込みと、うつ病の違いを見分ける1つのポイントは、「どのくらい長く気分の落ち込み(抑うつ状態)が続いているのか」ということです。
ちょっとした気分の落ち込みなら、2、3日もすれば回復しますし、カラオケや飲み会などで気晴らしをすれば、憂うつな気分が吹き飛ぶこともあります。

しかし、うつ病では憂うつな状態が2週間以上も続き、何をやっても「気が晴れる!」ということはありません。

うつ病と抑うつ気分の違い

うつ病(DSM-5)/大うつ病性障害* 抑うつ気分
症状 強い 弱い
妄想 妄想的になることがある 現実からずれない
自殺 考えることがある 比較的まれ
日常生活 大きく影響され変化する それほど大きな影響はなく変化も少ない
状況からの影響 よいことがあっても気が晴れない よいこと、楽しいことがあると少し気が晴れる
きっかけ 多くはきっかけがあるが、はっきりしていないこともある はっきりとした誘因がある
周囲から見て 理解できないことが多い 理解できることが多い
持続性 長く続く 徐々に軽くなる
抗うつ薬 よく効くことが多い 効かないことが多い
仕事・趣味 まったく手につかない やっていると気がまぎれる

*DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引:日本語版用語監修日本精神神経学会 監訳 高橋三郎・大野裕 訳 染矢俊幸・神庭重信・尾崎紀夫・三村將・村井俊哉 医学書院, 2014

上記の症状の他にも気になる症状があらわれた場合は、医師または薬剤師にご相談ください。

うつ病と食事は、関係があるの?

ストレスがうつ病に深く関わっていることは広く知られていますが、食生活とうつ病との関係をご存じの方はまだまだ少ないようです。実は最近の研究から、食生活や食事、栄養素とうつ病との間には深い関係があることがわかってきました。こうしたことは海外では認知度が高まりつつありますが日本ではまだ十分浸透しているとはいえず、うつ病に対する新しいアプローチとして注目されつつあります。

ここではうつ病と食事に関する情報を、具体的なレシピとともに紹介します。うつ病に対する取り組みの一環として、日ごろの食生活や栄養素の摂取を見直してみてはいかがでしょう。

うつ病患者さんに望ましい食事は?

うつ病患者さんに望ましい食事は「地中海式食事」や「和食」、一方で望ましくない食事は加工食品の多い「西欧式食事」といわれています。

地中海式食事は、欧米では健康食の代名詞のように使われます。野菜や果物、豆類、魚介類、穀物そしてオリーブオイルが豊富である一方、肉や乳製品(チーズやバター)はそれほど多くありません。和食も健康食として注目されており、地中海式食事と同様に、魚が多く肉や乳製品が多くないことはイメージしやすいと思います。つまり、日本人にとっては、日本の伝統的な食事をとればよく、食生活を地中海式食事に近づけることは必ずしも必要ありません。しかし、和食では塩分が多い傾向があり、また、日本人は乳製品の摂取が少なくカルシウム不足になりがちという欠点もあります。ですから、塩分少な目な伝統的和食と乳製品の摂取をこころがけるのが理想的です。バランスのよい食事で、栄養素を過不足なく摂取することが大切なのです。

一方、西欧式食事とは、加工度の高い食品(ハムやソーセージなどの加工肉、ポテトチップス、砂糖など)が多く用いられている食事をいいます。これらの食品では、加工の過程で、次のページで紹介するうつ病患者さんに望ましい栄養素が失われがちです。また、こうした食事を多くとっていると、必要な栄養素が摂取できないばかりか栄養バランスも崩れてしまい、生活習慣病や精神疾患の発症に影響するおそれもあるのです。食生活が西欧式食事にかたよっている場合は、地中海式食事や和食に切り替えたほうがいいと思います。

うつ病患者さんに望ましい栄養素には、ビタミン(B12や葉酸など)、ミネラル(鉄、亜鉛など)、必須アミノ酸(トリプトファンなど)、脂肪酸[ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタンエン酸(EPA)]などがあげられます。ここでは、そうした栄養素がとれる食材をご紹介します。
ただし、これらの食材も、望ましいからといって食べ過ぎると、カロリーオーバーになったり栄養がかたよったりする場合があるので、バランスよく適切な量を摂取することが大切です。

ビタミン

ビタミンD、B1、B2、B6、B12、葉酸などのビタミンの不足は、うつ病の発症や経過に悪影響を及ぼすといわれています。これらのビタミンは野菜やきのこ、レバー、肉、魚介類などの食材で補給できます。

ビタミンD きのこ類、魚介類
ビタミンB1 豚肉(赤身)、ウナギ、玄米、ナッツ
ビタミンB2 レバー、ウナギ、納豆、卵
ビタミンB6 刺身、レバー、鶏肉、納豆、にんにく、バナナ
ビタミンB12 貝類、レバー、のり
葉酸 葉もの野菜、納豆、レバー

ミネラル

鉄や亜鉛などのミネラルも、不足するとうつ病と関連する可能性があるといわれています。ミネラルは、肉や魚、卵などから摂取できます。また、これらの食材と一緒に野菜をとると、野菜に含まれるビタミンAやCが鉄や亜鉛の吸収を促進します。

レバー、赤身肉、魚介、海藻、青菜類、納豆
亜鉛 カキ、ウナギ、牛肉、レバー、大豆製品、貝類

アミノ酸

トリプトファンやメチオニンといった必須アミノ酸が不足すると、気分が落ち込みがちになります。必須アミノ酸は、肉や魚、卵、大豆、牛乳などに含まれる良質なタンパク質から摂取するとよいでしょう。

トリプトファン 牛乳、乳製品、肉、魚、ナッツ、大豆製品、卵、バナナ
メチオニン 牛乳、乳製品、肉、魚、ナッツ、大豆製品、卵、野菜(ほうれん草、グリーンピース)
チロシン 牛乳、大豆製品、魚(カツオ節、しらす干し)、乳製品、肉、卵、アボカド

脂肪酸

ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタンエン酸(EPA)などの脂肪酸は「n-3系不飽和脂肪酸」といわれ、魚に多く含まれることが知られています。DHA、EPAは脳などの中枢神経系で重要な役割を果たしています。

DHA、EPA 魚(マグロ、ハマチ、イワシ、ブリ、サバ、サンマ、サケ、ウナギなど)

その他

ストレスは腸内環境とも関係があり、腸内環境を整えるとストレスが減るといわれています。腸内環境を整える食品・栄養素は、乳酸菌やビフィズス菌、オリゴ糖、食物繊維で、乳酸菌やビフィズス菌はヨーグルトや乳酸菌飲料で、食物繊維は野菜などで摂取できます。
また、健康な方はうつ病患者さんに比べて緑茶をのむ頻度が多いという調査結果もある1)ことから、うつ病患者さんは緑茶を飲むとよいでしょう。緑茶にはカテキンやテアニンという成分が含まれており、免疫力を高める効果が報告されています2)

参考文献
1)古賀賀恵 他.:緑茶、コーヒーを飲む習慣と大うつ病との関連. New Diet Therapy 29: 31, 2013
2)Bukowski JF et al.:Human gamma delta T cells recognize alkylamines derived from microbes, edible plants, and tea: implications for innate immunity. Immunity 11: 57, 1999


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