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脂肪と油の常識を疑え!その2

前回の記事「脂肪と油の常識を疑え!その1」は主に食べてはいけない油、脂肪について書きましたが、今回は「食べるべき脂肪」についてのお話です。

また良い脂肪や油は是非とも十分な量を摂るべきであることは、前回述べましたが一体どういった脂肪を摂れば良いのでしょうか? また良い脂肪や油は どのようなご利益があるのでしょうか? こういった質問にお答えするのが今回の趣旨です。

良い油の筆頭として私が推奨するのは、オメガ3系の油です。食材としては亜麻仁(あまに)油と背青魚を筆頭に挙げさせていただきましょう。

体内で実際に良い効果を発揮するのはDHAやEPAといわれるものです。EPAやDHAは寒流で獲れる背青魚に多く含まれ、イワシ、サンマ、アジ、ブリなどで十分な量が摂れます。

亜麻仁油もアルファリノレン酸というオメガ3系に属する油が60%以上と非常に多いのですが、これは体内でEPAを経てDHAに変換されてから、その素晴らしい効能を発揮します。

DHAは脳、神経、血管や皮膚などにも良い影響を及ぼし、様々な病気を予防したり治したりしてくれます。その効能は、次に列挙した以上に多くあります。

  1. 皮膚の様々な病気を治す。
  2. 心臓血管系の病気に効果あり。血圧を下げる。
  3. 神経の病気、うつ病などにも効果あり。
  4. 炎症を抑え、アレルギー全般に良い。
  5. ガンの発生を抑える。
  6. 老化を抑制する。
  7. ホルモンバランスを整える。

などが主なものです。

しかしながら、このオメガ3系の油は大変酸化しやすく、この油自体を調理に使ってはいけません。必ず冷蔵保存が必要です。また魚を調理するときにも、その表面近くの油が酸化しますので、出来れば生食(刺身)が好ましく、次に低温調理(蒸すなど)が好ましいことにご注意ください。

次に挙げるのが調理用としては最も適したココナッツ油です。

ココナッツオイルの大部分の成分は飽和脂肪で、炭素原子同士の結合が全て飽和しているために、新たに酸素と結びつく(酸化)することがまずありません。また成分の大部分が中鎖脂肪酸といって分子が短い(分子が小さい)成分が多いのです。

脂肪酸は分子が小さくなると糖やアルコールと性質が似てくるために、ココナッツ油は わずかな甘みと甘い匂いがします。しかしココナッツ油の優れているところは酸化しないことだけではなく、エネルギーに変換されやすく、炭水化物の代わりのエネルギー源となり、また このため体脂肪となって体に溜まりにくい。その他の効用としては、

  • 炎症を防ぐ
  • 殺菌性がある
  • ガンの発生を抑える
  • アレルギーを予防する

などの素晴らしい効能があります。また肌からの浸透が良く吸収されやすい為に油性成分の皮膚からの吸収の為のキャリアーとして使われます。

パルミトレイン酸

あまり聞かない名前ですが、動物、特に牛の脂肪に多く含まれ、抗炎症作用やインスリン耐性を改善して、糖尿病を改善または予防する効果があります。また肥満を改善したり、内臓への脂肪の沈着を防ぐ作用が認められています。

このパルミトレイン酸は マカデミアナッツに特に多く、その重量の15%から20%も含まれています。次に多いのが(鯨肉を除けば)牛肉で、脂身(牛脂)の5から7%程度が好ましい脂質なのです。これが鶏肉は3%以下、豚や魚肉では2%未満となります。

CLA(共役型リノレン酸)

植物油に多く入っているリノレン酸は オメガ6系ですが、オメガ3系のアルファリノレン酸とは全く別物です。このリノレン酸は どちらかというと炎症を助長したり、アレルギーを引き起こしたりとあまり良い効能は無いのですが、これがある体内のプロセスで(Conjugation; 共役化)でCLAになるといろいろと好ましい効果を発揮します。その中でも、ある種のガン、特に乳ガンの予防、抗炎症効果、またダイエット効果などが試験によって立証されています。

このCLAとパルミトレイン酸ですが、どちらも(特に牧草で育った)牛脂に多く、これが牛肉、および牛脂をむしろより多く食べるべきと前回の記事「脂肪と油の常識を疑え!その1」で述べた理由です。

ただし、動物性の脂肪には血圧を上げる傾向はあるようで、それと逆のオメガ3油や次のオリーブ油を摂ることも肝心です。

オリーブ油

次はオメガ9の一価不飽和脂肪酸のオレイン酸を70%も含むオリーブオイルです。オリーブオイルはオレイン酸以外にも一価不飽和脂肪酸がほとんどで、このため調理に使っても他の植物油より酸化が少なく、ココナッツ油などの飽和脂肪酸が使えない場合の次善の選択肢となります。しかしながら、オレイン酸を体内で合成できるため、必須脂肪酸ではありません。

オレイン酸の健康増進効果としては悪玉コレステロールを下げたり、血圧を下げたりという効果が認められています。オリーブ油を多量に生で食する地中海食の健康効果は否定しがたいものですが、これはこのオリーブ油に含まれるポリフェノールの効果もあるのではということで調査がなされています。

オリーブ油を食事に使われるときは必ず、EXTRA VIRGINのものを選び、出来れば高温での調理には使わず、生に近い状態で食されるようにお勧めします。

バター、ミルク、チーズ

牛脂に準じた構成の飽和および不飽和脂肪酸が含まれていますので、牛脂と同様にお勧めできる食材です。特にバターはココナッツ油に次いで好ましい調理用油脂です。

ナッツ類

ナッツ類全般にはオメガ3を含め、良い油が多く含まれ、マカデミアナッツに限らず、カシューナッツ、アーモンド、くるみ、ピーナッツに至るまで、ほぼ全てが好ましい油脂を含んでおり、推奨できる食材です。ただし、あまり高温で煎(い)ったものは油脂の酸化が疑われますので、なるべく生に近いものを使いましょう。

終わりに

特に前回の記事「脂肪と油の常識を疑え!その1」では、酸化した油が多数の細胞を連鎖的に破壊する現象をお知らせしましたが、実はこれはビタミン類、特にビタミンEやアルファリポ酸など油性の抗酸化物質が足りない人に起こる現象なのです。

これらの抗酸化物質が体内(細胞膜)に十分あれば、酸化した油脂による細胞の連鎖的破壊は止まってしまいます。いかに抗酸化物質を体内に溜めておくことが大事か理解いただけましたでしょうか?

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