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食事を思う存分摂るよりも厳しいカロリー制限を課せられた方が長生き

アメリカのウィスコンシン国立霊長類研究センター(WNPRC)は、アカゲザル76匹を、与えるエサの制限を一切しないグループと、厳しいカロリー制限を課したグループに分けて、1989年から25年間という長い期間をかけて、2つのグループの疾病や死亡率を比較する実験を行いました。

左がカロリー制限された27歳のCantoで右が制限なしの29歳のOwen。

2歳の差はありますが、Cantoに比べるとOwenは年齢差以上にくたびれた雰囲気を感じます。

カロりー制限の猿

これまでにもミジンコやハエ、ネズミなどの小動物でカロリー制限を行うことで寿命が40%も延びるという報告があり、同様の効果が比較的高等なほ乳類でも起こらないかを調べるために今回の実験は行われたもので、25年という期間は、アメリカで進行中の実験の中でも極めて長い時間追跡された調査であるとのこと。

実験は、7歳から14歳のアカゲザルを用いて開始され、1つのグループにはエサを望むだけ与える一方で、もう1つのグループには、必須の栄養素は含みつつも通常サルが摂取する量から30%カロリーを制限した量のエサを与えました。

なお、この30%カットのダイエットは、かなり厳しめの設定であるとのことです。

結果は、制限なく好きなだけエサを食べさせたグループのサルは38匹中28匹が糖尿病・がん・心疾患などの加齢に伴って発症率が高まる疾病で死亡したのに対して、カロリー制限をしたグループのサルは38匹中わずかに10匹がそれらの病気で死亡したのにとどまりました。

端的に言うと、カロリー制限したサルの方が長生きしたとのこと。

カロリー制限の猿の実験

これは実験におけるアカゲザルの生存率を表すグラフです。

死因が加齢に伴って発症率が高まる疾病のもの(左)、すべての死因(右)のいずれにおいてもグラフ黒線のカロリー制限されたサルの方が生存率が高くなるという結果になりました。

これまでにもサルを使った食事制限実験はアメリカ国立老化研究所(NIA)でも行われており、その実験ではカロリー制限による長寿命の有意性はないという報告がなされていました。

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今回、WNPRCの実験ではNIAの結論と異なる結果が出たことについて、実験共同主任であるリッキー・コールマン博士は、「NIAでの実験では、国立科学アカデミーが作成した食物摂取図表のデータから30%のカロリーカットを行っているのに対して、私たちの実験では、アカゲザルが食べたい量を調査してそこから30%のカロリー制限を課した点や、大人のサルを使っている点で条件が異なっています」と話しており、NIAでの実験データを調べたところ、WNPRCの実験に比べてサルの体重が軽かったことを指摘しています。

WNPRCのロザリン・アンダーソン博士は、「カロリー制限は新陳代謝の再プログラミングを引き起こします。それによって、エネルギー制御能力や高齢になってから環境変化に対応する細胞の能力に影響が出ます」と述べています。

また、今回の実験共同主任であるリチャード・ウェインドルッチ博士は、「カロリー制限の実験は、虫やネズミを経て、霊長類でも効果があることが分かりました。人間に極めて近い存在であるアカゲザルでのカロリー制限が長寿命につながるというメカニズムは研究する価値があります」と語っています。

参照元:
Monkey caloric restriction study shows big benefit; contradicts earlier study

Study finds monkeys on low-calorie diets live longer, healthier lives | The Verge

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