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人は血管とともに老いる

「人は血管とともに老いる」という言葉は、カナダの医学者のウイリアム・オスラー博士(1849ー1919)が100年ほど前に述べたことで、医学の名言集の中でも最も有名な言葉として今も伝えられています。

これは人間の体は血管によって支えられ、血管が老化することが体の老化、健康面の機能低下を引き起こしていくということを意味しています。

心臓から送り出された血液は最も太い大動脈から動脈、毛細血管へと運ばれ、毛細血管から静脈、大静脈を通って最終的には心臓へと戻ってくるという流れとなっています。

全身の血管のうち約95%は毛細血管で、すべての血管を合わせると約10万kmにもなり、一周が約4万kmの地球を2周半する長さです。
血液の量は体重の約13分の1とされ、男性で約8%、女性で約7%となっています。

これだけの血液が毛細血管を通過して一周する時間は約20秒間です。
体重が60kgの男性の場合には1日に2万kg(ℓ)、ドラム缶(200ℓ)にして100本分が全身を巡っていることになります。

血液が1秒間に約1m、時速3~5kmという猛スピードで巡っているために、血管には相当の圧力がかかっています。
血圧は心臓の拍動によって送り出された血液によって動脈にかかる圧力を指しています。
水銀を用いた血圧計は、それほど大きくは動いていないので、血圧も大きな変化ではないように思われがちです。

しかし、血液に対して水銀の比重は約13.6と鉄よりも重いわけですから、正常範囲の収縮期血圧130mmHgですと水銀を130mm持ち上げる圧力となります。
「13.6×130mm=1768mm」となり、これは血液を2m近くも吹き上げる圧力なわけです。

心臓は1日に10万回以上も脈打っていますが、これだけの圧力が心臓の1拍ごとに血管の壁にかかっています。
血管の健康状態を守るためには血圧が上昇しすぎないようにすることが大切であり、まさに血管とともに老いるという意味が分かるでしょう。

戦前の日本人は動物性タンパク質とコレステロールの摂取量が少なかったことから血管が弱い体質でしたが、今では動物性タンパク質と脂肪(中性脂肪、コレステロール)の摂取量が増え過ぎたことから動脈硬化を進める結果となっていることは以前の記事で紹介しました。

血管にダメージを与えるものということでは、脂質異常症と高血圧が指摘されますが、糖尿病によるリスクも忘れてはいけません。
血液中のブドウ糖の量が過剰になると血管の細胞にブドウ糖が浸透していくようになり、ブドウ糖は細胞内で糖アルコールに変化します。

細胞は水分量が一定に保たれることによって正常に代謝が行なわれていますので、糖アルコールができることによって全体の水分量が増えていきます。
そのために代謝が低下して、細胞の再生がスムーズに進まなくなることで徐々に血管の老化が進み、動脈硬化のリスクが高まっていくことになります。

日本人は歴史的に血液中のブドウ糖が高濃度になるような食生活をしてこなかったために、血液中のブドウ糖が増えると細胞に多くのブドウ糖が浸透しやすい体質となっています。
それだけ日本人は濃くなったブドウ糖によるダメージを受けやすいわけですが、ブドウ糖が血管にダメージを与える仕組みが、もうひとつ解明されています。
それは細胞の糖化反応です。

糖尿病を判定するときには血糖値とともにヘモグロビンA1c(ヘモグロビンエイワンシー)値が測定されています。
ヘモグロビンA1cは赤血球の大部分を占める血色素のヘモグロビンとブドウ糖が結びついたもので、ヘモグロビンA1c値が高いということは、長い期間にわたって血糖値が高かったことを示しています。
一般には1~2ヶ月間の血糖値の状態を示すとされています。

血液中で多くなったブドウ糖はタンパク質と結びつきやすく、ブドウ糖や果糖などの還元糖と結合して糖化タンパクが生成され、反応が進むと終末糖化産物のAGE(advanced glycation end products)が生成されます。

AGEは組織に沈着して皮膚や組織の炎症を引き起こすようになります。
ヘモグロビンA1cが多く作られるのは糖化による結果で、そのときには血管の細胞のタンパク質の糖化も起こっています。
このことによっても血管の老化が進んでいくことになります。

ヘモグロビンは肺で酸素を結合させて全身に運び、血管の末端で酸素の結合を解き、二酸化炭素を結合して肺まで運び去る働きをしています。
しかし、ヘモグロビンA1cになると、酸素を結合しても結合を解くことができなくなります。
そのため、ヘモグロビンA1cの数が増えるほど、血管の末端に運ばれる酸素の量が減少していくようになります。

中高年以降の人は年齢を重ねていくと誰もが動脈硬化が進みます。
この加齢による影響よりも進行が早いものが、病気を引き起こす動脈硬化となります。

高齢になり全身の臓器の機能が低下すると萎縮していくものですが、心臓と血管は萎縮することはなく、むしろ肥大したり拡張していきます。
血管が拡張するのは血管壁の弾力性がなくなり、血管内が狭くなっているためで、生命維持に必要な血液を的確に流すために起こっていることです。

それでも血流が十分でないときには、血圧を高めて勢いよく血液を送り出すことで対処しています。
高齢になると最高血圧(収縮期血圧)が上昇しますが、最低血圧(拡張期血圧)のほうは上昇しにくく、むしろ下がって脈圧(上下の血圧の差)が広がっていく特徴があります。

高齢ではない人には、まだ先の話と感じることかもしれません。
しかし、日本人は血管が弱い体質であるだけに、中高年を過ぎたら高齢者と同じような対応を先回りして行うべきです。

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