お悩み・症状・習慣別のサプリメント活用術

menu

サプリメントの基礎知識と選び方バイブル

軟骨成分のグルコサミンとコンドロイチンの真実

関節痛は古代の恐竜やネアンデルタール人にもあったと言われるほど、間接を有する動物にとって宿命とも言える病気です。

日本人の場合、手足の関節痛の自覚症状がある人は65歳以上の男性の10人に1人、女性では6人に1人に上ります。

関節痛には変形性関節症と関節リウマチの2種類があります。

関節をスムーズに動かす為の軟骨が加齢とともの脆(もろ)くなり、欠けたり擦り減ったりして周囲に炎症を起こします。

全身の体重を支える膝(ひざ)に最も起こりやすい症状です。

一時的に炎症を抑えて痛みを和らげても、軟骨が少しずつ減り続け、やがて少し動かすだけでも痛みを感じるようになります。

そうなると、その関節を動かすことを避けるようになり、その結果、関節周辺の筋肉が衰え、さらに関節への負担が増えるという悪循環に陥ってしまいます。

関節リウマチは細菌やウィルスなどの外的から身体を守る免疫システムに異常が生じ、免疫の司令塔であるリンパ球が自分自身の身体を攻撃してしまうことが原因で発症します。

異常をきたしたリンパ球が関節で炎症を起こすと、こわばり、痛み、腫れが生じ、それが続くと関節が変形してしまいます。

異常をきたしたリンパ球が流れていくのは関節だけではありませんので、微熱、食欲減退、全身倦怠感などの全身症状や、目や口の乾き、せき、運動時呼吸苦、甲状腺腫などの症状をしばしば伴います。

国内の変形性関節症患者数は膝だけで約1000万人、潜在的な患者数は約3000万人と推定されています。

一方、関節リウマチ患者数は70~80万人と言われています。

圧倒的に変形性関節症が多いのです。

変形性関節症は軟骨が脆くなったり減ってしまったりする症状ですから、テレビなどでは「軟骨成分を積極的に摂取しましょう」という謳い文句のもと、グルコサミンやコンドロイチン、ヒアルロン酸やコラーゲンなどを含むサプリメントの宣伝が非常に活発です。

そのような宣伝を見て、軟骨成分がそのまま身体に吸収されて関節に運ばれ、軟骨が増えるものと誤認されるのではないかと危惧されます。

軟骨は再生しない組織であるというのがこれまでの定説です。

何故なら軟骨には血管がありませんので細胞や栄養が供給されないためです。

軟骨細胞は関節液から栄養を得ていますが増殖能力が非常に乏しいと言われています。

そのため、軟骨細胞を一度切り出し、培養して増やしてから関節に戻すという外科手術が開発されているのです。

グルコサミンは単糖、コンドロイチン硫酸やヒアルロン酸は多糖です。

多糖は消化されて単糖になってから体内に吸収されます。

米やパンなどの炭水化物、ケーキやクッキーなどの砂糖を含む菓子も同じで、糖の最小単位である単糖になってから吸収されます。

単糖の形で吸収されたコンドロイチン硫酸やヒアルロン酸が再び多糖となって軟骨成分になるというのは「軟骨は再生されない」という定説からも非科学的ですし、口から入れても体内のどの部分で使われるかを解明するのは不可能です。

グルコサミンは単糖ですので、そのまま吸収されますが、上述したように期待できる効果は疼痛(とうつう)緩和に限られます。

また、コラーゲンはタンパク質であり、消化されアミノ酸に分解されてから吸収されます。

これも豚肉などの他のタンパク質と同じです。

吸収されたアミノ酸が骨に使われるのか、皮膚に使われるのか、筋肉に使われるのかは分かりません。

スポンサードリンク

グルコサミンの関節痛に対する効果については様々なヒト臨床試験が行われています。

厚労省管轄の独立法人・国立健康・栄養研究所では、「硫酸グルコサミンは経口摂取で変形性関節症におそらく有効と思われる。ただし、症状の急激な再発の予防や重篤な長期にわたる変形性関節症の痛みを緩和する目的には、経口摂取は効果がないと考えられる」「塩酸グルコサミンの経口摂取による、膝の痛み、変形性関節症、関節リウマチに対する有効性が指摘されているが、これらの情報は不十分であり、更なる検証が必要である」という評価がなされています。

日本では硫酸グルコサミンは医薬品成分です。

グルコサミンの有効性の根拠となるヒト臨床試験では、痛みの軽減に関する報告はあるものの、関節軟骨再生に関する報告はありません。

コンドロイチンに関しては、「変形性関節症に対するコンドロイチン硫酸の効果についての報告があるが、現時点では見解が一致しない」としています。

効果が報告されているのは痛みの軽減と関節腔(骨と骨の間の空間)狭小化のわずかな抑制についてです。

つまり、これまで報告されているグルコサミンやコンドロイチンの経口摂取効果は疼痛緩和だけであり、頭痛薬などの消炎鎮痛剤の効果と同じなのです。

ヒアルロン酸に関して独立法人・国立健康・栄養研究所は、「経口摂取による(ヒトへの)有効性については信頼できる十分なデータが見当たらない」としています。

有効性が確認されているのはヒアルロン酸の関節内注射だけです。

ヒアルロン酸は多糖ですが、消化されると多糖ではなくなりますので、そのまま軟骨に運ばれることはありません。

また、コラーゲンについては骨に対する有効性について「調べた文献(ヒト臨床試験)の中で見当たらない」としています。

以上のことから、軟骨が脆くなり擦り減ってしまう変形性関節症に関しては、炎症を抑えて痛みを緩和するという対処療法が主流であり、根治のためには自分の軟骨を培養して増やし軟骨に移植するという外科手術しか選択肢がないのが現状です。

今ある軟骨を大切に保持していくという考えを持たなければなりません。

年を取ってから膝に負担がかかる運動はなるべく避け、適度な運動で関節の筋肉の衰えを防ぐという工夫が必要です。

しかしながら、すでに関節痛を患っている方には、食品成分で炎症が抑えられ痛みが緩和されることは有益なことです。

そのためにグルコサミンを利用することも良いでしょう。

炎症を抑える食品素材として注目されているのは、インド乳香樹であるボスウェリアセラータのエキスです。

ボスウェリアセラータは学名であり、アロマオイルではフランキンセンスの名で親しまれています。

世界五大医学雑誌のひとつであるBMJ (British Medical Journal)の記事 (FRANKINCENSE:SYSTEMATIC REVIEW,2008年)では、薬との併用も含めて安全性に優れており、変形性関節炎、クローン病、喘息などの炎症性疾患に対する有効性について「encouraging (有望である)」と結論づけられています。

なお、関節リウマチは免疫システムの異常により生じる症状ですので、免疫システムを正常に保つような栄養成分を積極的に摂取することも有効と考えられます。

成人になると免疫は腸が8割を担うと言われていますので、腸内環境を良好に保つことが免疫システムの正常化に有効なのではないかと考えています。

関連記事

このブログに投票くださった方へ感謝