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ビタミン、ミネラルの役割と代謝

ビタミンは、脂溶性ビタミンが4種類(A、D、E、K)、水溶性ビタミンが9種類(B₁、B₂、B₆、B₁₂、C、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン)ありますが、いずれも体内では ほとんど合成されないため、食事などで摂る必要があります。ファストフードばかり食べていて野菜を摂らなかったりすると、ビタミン不足になってしまうのです。

ビタミンが欠乏すると、様々な障害が出ます。ビタミンの多くは、酵素が働く際に必要な「補酵素」として機能しているため、欠乏すると代謝がうまくいかなくなってしまうのです。

たとえばビタミンB₁は、糖の代謝にかかわる酵素に必須の補酵素で、欠乏すると糖が好気性解糖のサイクルに入れなくなって、嫌気性解糖に回されます。嫌気性解糖では乳酸が生じますから、血中の乳酸が増えて血液が酸性(アシドーシス)になります。血液が酸性になると、吐き気や腹痛、下痢、筋肉痛や過呼吸などの症状が出ます。しかも、重篤になると死に至ることもあります。臨床の現場では、進行性のアシドーシスには まずビタミンB₁を注射するようにしています。ビタミンB₁は水溶性で、過剰投与による害がないからです。

ビタミンB₁欠乏では更に、脚気やウェルニッケ・コルサコフ症候群を発症することもあります。脚気は倦怠感や動悸・息切れなどが主な症状ですが、そのまま放置すると重篤化して、抹消神経障害や心不全を起こします。

ウェルニッケ・コルサコフ症候群は、ウェルニッケ脳症とその後遺症であるコルサコフ症候群のことで、ビタミンB₁欠乏によって、脳の中の視床など特異的な場所が障害されることで起こります。ウェルニッケ脳症では、眼球の運動がおかしくなったり、身体の動きが変になったり、意識障害が起こったりします。重くなると錯乱状態や低体温、昏睡などに至りますが、早めにビタミンB₁を投与すれば治ります。けれども、重篤化して後遺症が出てしまうと、記憶力や認知機能が低下して認知症になります。認知症の原因は、アルツハイマー病や脳血管障害だけではないのです。

ビタミンB₁欠乏は、飢餓やアルコール依存、偏食などによって起こりますが、過去には医療が原因で起こったこともありました。つわりのために食事ができず、長期にわたって点滴を受けていた女性が、点滴にビタミンB₁が入っていなかったために発症してしまったのです。

ビタミンB₁以外では、ビタミンAが欠乏すると皮膚や粘膜が乾燥したり、視力が低下したりしますし、ビタミンCが欠乏すると壊血病になります。壊血病は体内の各器官に出血が起こる病気で、16~18世紀の大航海時代に、多くの船乗りがこれによって死んでいったことでも有名です。新鮮な野菜や果物を長期の航海で口にすることができず、ビタミンCが欠乏してしまったのです。また、ビタミンDが欠乏すると骨を作れなくなりますし、ビタミンEが欠乏すれば貧血になります。ビタミン欠乏の害を数え上げればきりがないというのが実態で、どのビタミンが欠乏しても何らかの障害が生じるのです。

ミネラルとは、有機物に含まれる4元素(炭素、水素、窒素、酸素)以外の元素のことで「無機質」とも呼ばれます。地球上には約100種類の元素がありますが、私たちの身体の中にあり、かつ栄養素として欠かせないと分かっているものは現在、次の16種類です。

ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン、塩素、イオウ、コバルト

このうち、塩素、イオウ、コバルトの3種類について、厚生労働省が「日本人の食事摂取基準」として、1日の摂取量を定めています。ミネラルは、必要な量は少ないものの体内で作ることができないため、食事などから摂る必要があるのです。

また、ミネラルのうち1日の摂取量が100mg以下のものを「微量元素」と呼び、それ以上のものを「多量元素」と呼ぶこともあります。日本人の食事摂取基準のうち、微量元素は鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデンの8種類、多量元素はナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リンの5種類です。

ミネラルも、欠乏すると様々な障害が起こります。たとえば、カルシウムが不足すると骨粗しょう症になったり、脳や神経の情報伝達や筋肉の収縮がうまくいかなくなったりします。鉄が不足すると貧血になりますし、銅が不足しても貧血になります。鉄は鉄輸送タンパク質(トランスフェリン)と結合して酸素の運搬を行なっているからですし、銅は鉄をヘモグロビンの合成に利用できる形に変えることで、造血作用に関わっているからです。

亜鉛は300種類以上の酵素の補酵素として働いていて、免疫機能や傷の治療、糖の代謝など様々な反応に関わっていますし、コラーゲンなどの生成にも関わっています。亜鉛欠乏症として知られているのは味覚障害ですが、それだけでなく、欠乏すると非常に多くの障害が起こるのです。

ただ、ビタミンやミネラルには欠乏症がある一方、過剰症もあります。ビタミンでは、水溶性ビタミンは過剰に摂取しても尿として排出されるからいいのですが、脂溶性ビタミンには注意が必要です。たとえば、ビタミンAは摂り過ぎると疲労感や吐き気、頭痛、脱毛、皮膚の乾燥などが起こります。ビタミンDは、摂り過ぎると骨がもろくなったり、食欲不振や吐き気が起こったり、高カルシウム血症や尿毒症になったりします。

ミネラルでは、ナトリウムを摂り過ぎると高血圧や脳卒中の原因になることはよく知られていますが、摂り過ぎの害は他のミネラルにもあります。亜鉛は、摂り過ぎるとHDLコレステロールが減少したり、免疫機能が低下したりします。セレンは、摂り過ぎると肝硬変や脱毛、皮膚障害、吐き気や下痢、心筋症などを起こします。

ビタミンやミネラルでは、ここに挙げたもの以外でも欠乏症や過剰症が起こりますし、なかには適正な摂取量の幅が非常に狭いものもあります。したがって、サプリメントを利用する場合は、医師や薬剤師に相談したほうがいいでしょう。

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