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タンパク質メチル化を標的としたガン治療法の研究・開発

ペプチドワクチンは、進化し続けています。

そんな中で、ガン微小環境における様々な標的が研究・開発されています。

たとえば、ホスホリパーゼCε(phospholipase Cε / PLCε / PLCエプシロン)も、その1つです。

PLCε というのは非免疫細胞に発現し、炎症系サイトカインの産生の促進を介して、様々な炎症反応に関与しているタンパク質で、ガン発症の関連が報告されています。

したがって、PLCε をターゲットにしてガン微小環境の炎症を抑えることにより、悪性進展の阻害などができると考えられます。

テロメラーゼのテロメア伸長機能を促進するタンキラーゼを標的にするペプチドも考えられます。

ガン細胞はテロメラーゼ(テロメアに新しい塩基配列を追加し、テロメアが短くなるのを防ぐ酵素)を活性化して、テロメア(染色体の末端部分に見られる塩基配列の反復構造)を安定に維持することにより無限分裂が可能なことは知られていますが、タンキラーゼはテロメアタンパク質TRF1に結合して、テロメア伸長を促進します。

ですから、これを標的にすれば、ガンはテロメアを維持することができなくなって、死滅すると考えられるのです。

また、ガンの転移は生命予後を悪化させる大きな要因となりますが、その転移は、ガン細胞が走化性(化学物質の濃度の差の刺激による細胞などの方向性を持った行動)を起こすことから始まります。

そして、たとえば乳ガンにおいては、ケモカインCXCL12とCCL21が走行性を誘導することが分かっており、その誘導を抗CXCR4抗体が抑制することが報告されています。

したがって、これを応用することで、乳ガンの転移抑制ペプチドワクチンを作ることも考えられます。

さて、最近のトピックに、「ガンのメチル化」があります。

メチル化というのは、様々な基質にメチル基が置換または結合することで、生物の機構では、酵素によって触媒され、重金属の修飾、遺伝子の発現の調整、タンパク質の機能調節、RNA代謝に深く関与しています。

イメージとしては、生体物質に小さな「印(メチル基)」を付けることで、たとえばDNAの遺伝子情報が m(メッセンジャー)RNAに写し取られる(転写)とき、mRNAが正しく働くためには、頭にメチル化された目印が付けられなくてはなりません。

また、生物はDNAにメチル化の目印を付けて そのDNAの遺伝子情報の発現を調節しています。

これをDNAメチル化といい、正しく行われないと、生物は生きていけません。

ガン細胞においては、様々な突然変異と このDNAメチル化異常が蓄積していることが明らかになっており、最近では、DNAメチル化異常は、まだガンになっていない組織でも非常に多くの細胞で起きていること、1つのガン細胞の中でも非常に多くの遺伝子に起こっていることなどが分かってきています。

また、正常細胞の中で外界ストレス応答を担う制御タンパク質HSP70 が、ガン細胞の中でメチル化され、異常な細胞局在および細胞増殖を促進させることが報告されています。

更に HSP70 は、ガン細胞でメチル化を亢進することも分かっています。

そして、このタンパク質メチル化を司るのが、ヒストンのメチル化と呼ばれるメチル化酵素です。

現在、このタンパク質メチル化を標的とした治療法の研究・開発も盛んに行われています。

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