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TGF – β はガンの浸潤・転移を促進している

免疫抑制分子であるTGF – β と呼ばれるサイトカインも目に見えない壁の構成員です。

TGF – β は、上皮系細胞に対する強力な増殖抑制作用を示すことから、ガン抑制因子として注目されてきたという経緯があります。

実際、多くのガンでTGF – β の受容体やシグナル分子の遺伝子変異が見い出され、TGF – β シグナルからの逸脱がガン化の要因の1つと考えられています。

しかし、他方ではガンの悪性化、特にガン細胞の浸潤・転移を促進する因子であることも解明されてきました。

具体的には、まず、ガン細胞のEMT(上皮間葉転換)を誘導します。

EMTというのは、皮膚や内臓の表面などを構成する表皮細胞が、骨や筋肉、血液などを構成する間葉系細胞としての性質を新たに得る現象で、上皮細胞が整然と配列され、互いに密な連結を有するのに対して、間葉系細胞は細胞外基質の中で周囲との結合に縛られずに存在し、運動能を有するのが特徴です。

つまり、上皮細胞の悪性腫瘍であるガン(ガン腫)は、自身の上皮としての性質を失い、運動能を得るとともに、浸潤・転移に有利な特性を持つようになるわけで、いうなればEMTはガン細胞が自分の城を築くうえで重要な支持母体をつくってしまう存在です。

ですから、それを誘導するTGF – β は、真っ先に排除すべき存在なのです。

更に、最近の研究では、TGF – β は自己複製能、腫瘍形成能の亢進も促進することが示唆されています。

したがって、転移した先々でも、ガンが自ら増え続ける仕組みをTGF – β がどんどん作り出しているとも言えるのです。

それと同時に、TGF – β は腫瘍間質に対して重要な役割を果たしています。

その1つは、間質に存在する繊維芽細胞と筋繊維芽細胞との関連性です。

この2つの細胞は、ガンの増殖・転移において重要な働きをしますが、TGF – β は間葉系前駆細胞から、これらの細胞への分化を誘導するのです。

また、TGF – β は、VEGFなどの発現を誘導し、ガン血管新生を促進させます。

ガン細胞が浸潤・転移する際には、

  1. 原発巣からガン細胞が離脱する
  2. 血管内へと侵入する
  3. 血管内をガン細胞が循環する
  4. 前転移ニッチにおいて血管外へと脱出する
  5. 生着(手術で移植された器官が,本来の機能を果たすこと)・増殖して転移巣を形成する

という多段階のステップにより成り立っていますが、TGF – β は その各段階においても様々なメカニズムを介して浸潤・転移を促進していることも分かっています。

加えて、TGF – β は、細胞溶解に働く因子を阻害し、抗原提示細胞によるT細胞の活性化を抑制し、更にヘルパーT細胞やNK細胞、マクロファージなどに対しても抑制的に働いて、ガンに対する防衛機構を破壊します。

しかも、先述のように、免疫抑制細胞であるTregまで誘導してしまうのです。

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